インプラントのサイナスリフトとは何ですか?
2023年12月03日 []
インプラントのサイナスリフトとは?費用やメリット・デメリットを解説
インプラント治療は、失った歯を人工の歯で補う方法です。インプラントは、顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯を固定します。インプラントは、見た目や噛み心地が自然で、長持ちするというメリットがあります。
しかし、インプラント治療には条件があります。インプラントを埋め込むには、十分な量と質の顎の骨が必要です。顎の骨が薄い、少ない、弱いという場合は、インプラントを埋め込むことができません。また、顎の骨は、歯がなくなると徐々に吸収されてしまうという特徴があります。
そのため、歯を失ってから時間が経つと、インプラント治療が難しくなる可能性があります。
そこで、インプラント治療を受けたいけれど、顎の骨が不足している場合に行われるのが、骨造成という手術です。骨造成とは、顎の骨を増やしたり、強化したりする手術の総称です。
骨造成には、さまざまな方法がありますが、その中でも、上顎の奥歯部分にインプラントを入れる場合によく行われるのが、サイナスリフトという手術です。
この記事では、インプラントのサイナスリフトとは何か、どのような人に必要なのか、費用やメリット・デメリットなどについて詳しく解説します。インプラント治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
サイナスリフトとは?
サイナスリフトとは、インプラントを埋め込むのに十分な骨の高さが上顎にない場合に、小鼻の脇にある上顎洞という空洞の底部に骨補填材を埋入して骨再生を行う方法です。上顎洞は、鼻と口の間にある空気の入った空間で、鼻の粘膜で覆われています。
上顎洞は、鼻の通りを良くしたり、顔の軽さを保ったりする役割がありますが、上顎の骨の厚さに影響を与えます。
上顎の骨にインプラント体の長さ分の厚みがない場合、インプラント体を埋め込むと、上顎洞に突き抜けてしまう恐れがあります。
これは、インプラントが安定しないだけでなく、上顎洞に感染や炎症を引き起こす可能性があります。そのため、上顎の骨の厚みが足りない場合は、サイナスリフトを行って、上顎洞の底部を持ち上げて、骨の高さを増やす必要があります。
サイナスリフトは、骨の厚みが5mm未満の場合や、広範囲にわたって多数の骨が欠損している場合に適応されます。サイナスリフトは、インプラント治療の前に行われることが多いですが、場合によっては同時に行われることもあります。
サイナスリフトの手術の流れ
サイナスリフトの手術の流れは、以下のようになります。
- まず、局所麻酔を行います。必要に応じて、静脈内鎮静法や全身麻酔を併用することもあります。
- 次に、上顎の歯茎の側面を切開して、露出した歯槽骨を切り抜きます。このとき、上顎洞に付着しているシュナイダー膜という粘膜を慎重に剥がします。シュナイダー膜は、上顎洞の内壁を覆っている薄い膜で、破れやすいので注意が必要です。
- その後、剥がしたシュナイダー膜を持ち上げて、できた空間に骨補填材を充填します。骨補填材には、人工骨や自家骨、動物由来の骨などがあります。骨補填材は、上顎洞の底部を持ち上げるとともに、新しい骨を生成するための土台となります。
- 最後に、切開した歯茎を縫合して、手術は終了です。縫合した部分には、抗生物質や消炎剤などの薬剤を含んだガーゼを当てておきます。
サイナスリフトの手術時間は、約1時間程度です。手術後は、骨が安定するまでの3~6ヶ月ほど待ちます。骨が作られたことが確認できたら、通常のインプラント治療の流れに沿ってインプラントを埋入していきます。
サイナスリフトの費用
サイナスリフトの費用は、歯科医院や使用する骨補填材によって異なりますが、一般的には、20万円~40万円程度となっています。この他に、インプラント治療の費用が別途かかります。インプラント治療の費用は、歯科医院や使用するインプラントの種類によって異なりますが、一般的には、30万円~60万円程度となっています。
サイナスリフトは、公的医療保険の適用外です。また、手術で使用される骨補填材が高価なこと、術者に高度な技術が必要なことから、治療費が高額になる傾向にあります。トータルフィー制度のインプラント治療の場合は、サイナスリフトもインプラント治療費に含まれていることもあります。
サイナスリフトの費用は、歯科医院によって大きく異なるので、事前に見積もりを取って比較することをおすすめします。
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