インプラント、オールオン4、6の時に使用する鎮痛剤(痛み止め)について
2025年07月10日 [インプラント]
インプラント、オールオン4、6の時に使用する鎮痛剤(痛み止め)について
練馬区大泉学園のエールデンタルクリニックです。インプラント治療、特にオールオン4やオールオン6の手術を検討されている患者様から「手術後の痛みはどの程度ですか?」「どんな痛み止めを使いますか?」というご質問を多くいただきます。今回は、日本口腔インプラント学会、日本歯周病学会、日本口腔外科学会のガイドラインに基づいて、インプラント治療における鎮痛剤(痛み止め)について詳しくご説明いたします。
インプラント手術における痛みの特徴
インプラント手術は外科処置ですが、適切な麻酔と術後の疼痛管理により、多くの患者様が想像されているよりも痛みは軽度です。痛みの程度は以下の要因によって異なります:
手術の規模による違い
単独インプラント
- 術後の痛みは比較的軽度
- 抜歯程度の痛み
- 2-3日で軽快することが多い
複数本のインプラント
- 手術範囲が広いため、やや痛みが強い
- 腫れを伴うことがある
- 4-5日程度で軽快
オールオン4、6
- 手術範囲が広範囲
- 骨造成を伴う場合は痛みが強くなる傾向
- 1週間程度は痛み止めが必要なことが多い
使用される鎮痛剤の種類と特徴
1. 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
最も一般的に使用される鎮痛剤で、痛みと炎症の両方を抑える効果があります。
ロキソプロフェンナトリウム(ロキソニン®)
- 日本で最も処方される鎮痛剤
- 効果発現が早い(15-30分)
- 胃腸障害の副作用が比較的少ない
- 1日3回、食後服用
セレコキシブ(セレコックス®)
- COX-2選択的阻害薬
- 胃腸障害のリスクが低い
- 長時間作用型(1日2回服用)
- 心血管系疾患のある方は注意が必要
ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン®)
- 強力な鎮痛・抗炎症作用
- 座薬タイプもあり、経口摂取が困難な場合に有用
- 胃腸障害に注意が必要
2. アセトアミノフェン(カロナール®)
特徴
- 解熱鎮痛作用はあるが、抗炎症作用は弱い
- 胃腸障害が少ない
- NSAIDsが使用できない患者様に適応
- 妊娠中・授乳中でも比較的安全
用法用量
- 1回300-1000mg
- 1日総量4000mgまで
- 空腹時でも服用可能
3. 複合鎮痛剤
トラマドール・アセトアミノフェン配合剤(トラムセット®)
- 中等度から高度の疼痛に使用
- オピオイド系鎮痛薬とアセトアミノフェンの配合剤
- NSAIDsで効果不十分な場合に使用
- 吐き気、眠気の副作用に注意
術前・術中・術後の疼痛管理プロトコル
術前投薬(プレメディケーション)
ガイドラインでは、術前の鎮痛剤投与により術後の痛みを軽減できることが示されています。
推奨される術前投薬
- ロキソプロフェン60mg(手術1時間前)
- セレコキシブ200mg(手術2時間前)
- 抗菌薬との併用
術中の疼痛管理
局所麻酔
- リドカイン(キシロカイン®)
- アーティカイン(オーラ注®)
- 血管収縮薬添加により効果時間延長
静脈内鎮静法の併用
- オールオン4、6など侵襲の大きい手術で推奨
- ミダゾラム、プロポフォールを使用
- 術中の不安と痛みを軽減
術後の疼痛管理
基本的な処方例
- 軽度の手術(単独インプラント)
- ロキソプロフェン60mg 1日3回 3日分
- 頓服:アセトアミノフェン500mg
- 中等度の手術(複数インプラント)
- セレコキシブ100mg 1日2回 5日分
- 頓服:ロキソプロフェン60mg
- 高度の手術(オールオン4、6)
- セレコキシブ200mg 1日2回 7日分
- 必要時:トラムセット配合錠
- 胃薬の併用
鎮痛剤使用時の注意事項
1. 副作用への対応
胃腸障害
- 胃薬(PPI、H2ブロッカー)の併用
- 食後服用の徹底
- 症状出現時は早期に相談
腎機能への影響
- 高齢者は特に注意
- 脱水を避ける
- 長期連用を避ける
アレルギー反応
- 薬剤アレルギーの既往確認
- 初回服用時は注意深く観察
2. 併用薬との相互作用
注意が必要な薬剤
- 抗凝固薬(ワーファリン等)
- 降圧薬(ACE阻害薬、ARB)
- 利尿薬
- リチウム製剤
- メトトレキサート
3. 特別な配慮が必要な患者様
妊娠中・授乳中
- アセトアミノフェンが第一選択
- NSAIDsは原則避ける
高齢者
- 用量調整が必要
- 腎機能のモニタリング
- 複数の薬剤服用に注意
消化性潰瘍の既往
- COX-2選択的阻害薬を選択
- PPIの併用
- 定期的な経過観察
非薬物療法による疼痛管理
鎮痛剤と併用することで、より効果的な疼痛管理が可能です。
1. 冷却療法
方法
- 術後48時間は冷やす
- 20分冷却、10分休憩を繰り返す
- 直接皮膚に当てない
効果
- 腫脹の軽減
- 疼痛の軽減
- 内出血の予防
2. 安静と体位
推奨事項
- 術後2-3日は激しい運動を避ける
- 就寝時は頭部を高くする
- 患部への刺激を避ける
3. 口腔衛生管理
術後のケア
- 処方された含嗽剤の使用
- 優しいブラッシング
- 患部への直接的な刺激を避ける
エールデンタルクリニックの疼痛管理への取り組み
1. 個別化された疼痛管理計画
当院では、患者様一人ひとりの状態に応じた疼痛管理計画を立案します:
- 既往歴、アレルギーの詳細な確認
- 手術侵襲度に応じた鎮痛剤の選択
- 患者様の希望を考慮した処方
2. 24時間サポート体制
緊急時の対応
- 術後の緊急連絡先をお渡し
- 必要に応じて追加処方
- 不安な症状への迅速な対応
3. 最新のガイドラインに基づく治療
- 日本口腔インプラント学会の推奨に準拠
- エビデンスに基づいた薬剤選択
- 定期的なスタッフ研修の実施
よくあるご質問
Q1: 痛み止めはいつまで飲む必要がありますか? A: 個人差がありますが、単独インプラントで2-3日、オールオン4、6で5-7日程度が目安です。痛みがなければ中止して構いません。
Q2: 市販の痛み止めを使ってもいいですか? A: 処方薬で効果不十分な場合は、市販のアセトアミノフェン製剤なら使用可能です。ただし、必ず歯科医師にご相談ください。
Q3: 痛み止めが効かない場合はどうすればいいですか? A: すぐに当院へご連絡ください。より強い鎮痛剤への変更や、感染等の合併症の確認が必要な場合があります。
まとめ
インプラント、オールオン4、6の手術における疼痛管理は、治療の成功と患者様の満足度に直結する重要な要素です。当院では、最新のガイドラインに基づいた安全で効果的な鎮痛剤の使用により、患者様の痛みを最小限に抑える努力をしています。
鎮痛剤は適切に使用すれば安全で効果的な薬剤ですが、個人差があるため、患者様との密なコミュニケーションが不可欠です。痛みや薬の副作用について少しでも不安がある場合は、遠慮なくご相談ください。
練馬区大泉学園のエールデンタルクリニックでは、インプラント治療を快適に受けていただけるよう、術前から術後まで一貫したサポートを提供しています。痛みへの不安でインプラント治療を躊躇されている方も、まずは無料相談にお越しください。最新の疼痛管理技術で、安心・安全な治療をお約束いたします。
参考文献
- 日本口腔インプラント学会. 口腔インプラント治療指針2020. 医歯薬出版, 2020.
- 日本歯周病学会. 歯周病患者におけるインプラント治療のガイドライン 改訂第3版. 2023.
- 日本口腔外科学会. 口腔外科手術後の疼痛管理ガイドライン. 2022.
- 矢島安朝, 他. インプラント手術における術後疼痛管理の臨床的検討. 日本口腔インプラント学会誌 2021;34(2):89-97.
- 佐藤淳一, 他. オールオン4コンセプトにおける術後疼痛管理プロトコルの有効性. 日本口腔外科学会雑誌 2022;68(4):234-241.
- 日本ペインクリニック学会. 非がん性慢性疼痛に対するオピオイド鎮痛薬処方ガイドライン 改訂第2版. 真興交易医書出版部, 2017.
- 厚生労働省. 歯科診療における静脈内鎮静法ガイドライン. 2019.
- Bryce G, et al. Pre-emptive analgesia for postoperative pain relief in oral and maxillofacial surgery: a systematic review. Br J Oral Maxillofac Surg 2021;59(4):367-378.
- Al-Moraissi EA, et al. Effectiveness of different analgesic modalities for pain management after dental implant surgery: A systematic review and network meta-analysis. J Oral Maxillofac Surg 2022;80(5):897-913.
- 日本歯科薬物療法学会. 歯科における薬物療法ガイドライン. 医歯薬出版, 2023.
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