オールオン4は下顎も可能ですか??
2024年04月02日 [インプラント]
オールオン4は下顎も可能ですか??
はい、オールオン4は下顎でも可能です。ただし、解剖学的な特徴や骨の状態によっては、難易度が高くなる場合があります。
下顎へのオールオン4インプラント治療の特徴と注意点について詳しく解説していきましょう。
1. 下顎管と下歯槽動脈への配慮
下顎には下顎管という管が走っており、その中を下歯槽動脈や下歯槽神経が通っています。インプラントを埋入する際には、これらを傷つけないよう細心の注意が必要です。CTやデンタルX線写真で下顎管の位置を確認し、適切な位置と角度でインプラントを埋入します。
2. 骨の柔らかさへの対応
柔らかい骨にインプラントを埋入すると、初期固定が得られにくく、充分な固定がてなかった場合オッセオインテグレーション(骨結合)が起こりにくいため、注意が必要です。必要に応じてインプラントを歯肉の中に埋め込む(二回法)などの対策が求められます。
3. 骨量の確保
下顎へのインプラント治療では、十分な骨量の確保が重要です。歯を失ってから時間が経過すると、骨が吸収されて骨量が減少します。特に下顎の前歯部は、もともと骨が薄いため、骨吸収が起こりやすい部位です。骨量が不足している場合は、骨移植などの外科的処置が必要になることもあります。
4. インプラントの本数と角度
オールオン4では、4〜6本のインプラントで総入れ歯を支持します。下顎では、オトガイ孔(おとがいこう)と呼ばれる神経が通る孔が正中部にあるため、インプラントを斜めに埋入することが多くなります。後方のインプラントは、下顎管を避けるために、さらに斜めに長く埋入します。インプラントの角度や長さを調整することで、解剖学的構造物を避けながら、十分な固定力を得ることができます。
5. 仮歯の設計
オールオン4で用いる仮歯は、インプラントにしっかりと固定されるため、通常の仮歯よりも薄型で軽量に設計できます。これにより、違和感が少なく、発音や食事がしやすくなります。また、人工歯の配列を工夫することで、審美性の高い仮歯を製作できます。
6. メンテナンスの重要性
オールオン4では、インプラントと総入れ歯のメンテナンスが重要です。定期的なクリーニングや調整を行うことで、インプラントの周囲炎やトラブルを予防できます。また、総入れ歯の修理や調整も必要に応じて行います。患者さん自身によるホームケアも欠かせません。正しいブラッシング方法やデンタルフロスの使用法をしっかりと指導することが大切です。
下顎へのオールオン4インプラント治療は、解剖学的な特徴や骨の状態によって難易度が上がる場合がありますが、適切な診断と治療計画のもと、多くの症例で成功が可能です。事前の十分な検査と慎重な手術、そして適切なメンテナンスを行うことで、下顎の無歯顎患者さんのQOL向上に大きく貢献できるでしょう。
無歯顎に悩む患者さんにとって、オールオン4は画期的な治療法といえます。短期間で固定性の義歯が得られ、審美性や機能性も高いため、喜びの声も多く聞かれます。
従来の可撤性義歯(入れ歯)と比べると、オールオン4による総入れ歯は以下のようなメリットがあります。
- 固定性が高く、安定している
- 違和感が少なく、発音や食事がしやすい
- 上部構造の床が小さく、味覚への影響が少ない
- 審美性が高く、自然な口元が得られる
- メンテナンスが容易で、清掃しやすい
一方で、オールオン4は外科的な処置を伴う高度な治療です。リスクや合併症についても理解したうえで、治療を受ける必要があります。
- 手術に伴う痛みや腫れ、違和感がある
- インプラント周囲炎などのトラブルの可能性がある
- 費用が高額である
また、オールオン4の適応には限界もあります。重度の骨吸収がある場合や、全身疾患によって手術ができない場合は、他の治療法を選択する必要があります。
7.オールオン4の長期的な予後と成功率
オールオン4インプラント治療の長期的な予後と成功率は、多くの研究で検証されています。一般的に、適切な症例選択と熟練した術者による施術、そして患者さんの適切なメンテナンスが行われた場合、5年以上の生存率は95%以上と報告されています。
しかし、長期的な成功のためには以下の要因が重要です:
a) 適切な症例選択:
骨量や骨質、全身状態などを十分に評価し、オールオン4の適応となる患者さんを慎重に選択する必要があります。
b) 熟練した術者による施術:
オールオン4は高度な技術を要する治療法です。豊富な経験と知識を持つ歯科医師による施術が、成功率を高める重要な要素となります。
c) 精密な手術計画:
CTスキャンなどの3D画像診断を用いて、インプラントの埋入位置や角度を綿密に計画することが重要です。これにより、神経や血管を避けつつ、最適な位置にインプラントを埋入することができます。
d) 適切な上部構造の設計:
咬合力が均等に分散されるよう、上部構造(人工歯)を適切に設計することが重要です。これにより、インプラントへの過度な負担を防ぎ、長期的な安定性を確保できます。
e) 定期的なメンテナンスとフォローアップ:
半年に1回程度の定期検診と、必要に応じたメンテナンスを行うことで、早期にトラブルを発見し対処することができます。また、患者さん自身による日々の適切なケアも重要です。
f) 患者教育:
禁煙や適切な食生活の指導など、患者さんの生活習慣改善も長期的な成功には欠かせません。
これらの要因に注意を払いながら治療を進めることで、オールオン4は下顎の無歯顎患者さんに長期的な満足と快適な生活をもたらす可能性が高くなります。ただし、どんなに成功率が高くても、個々の症例によってリスクや予後が異なることを忘れてはいけません。患者さんとの十分なコミュニケーションを通じて、期待と現実のギャップを埋めていくことが、治療の成功に繋がる重要なポイントとなります。
下顎へのオールオン4インプラント治療は、無歯顎患者さんにとって、魅力的な選択肢の一つです。患者さんの状態や要望に応じて、適切な治療計画を立てることが重要です。医療者側は、十分な説明と同意のもと、安全で確実な治療を提供する必要があります。さらに、定期的なメンテナンスを通して、長期的な予後の向上に努めることが求められます。
オールオン4は、下顎の無歯顎治療に新たな可能性を開く革新的な方法です。解剖学的な特徴や骨の状態によって難易度は上がりますが、多くの症例で成功が可能です。手術前の入念な検査と計画、そして適切なメンテナンスを行うことで、患者さんのQOL向上に貢献できるでしょう。今後も、オールオン4の予知性や長期的な成績の向上が期待されます。
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