インプラントの骨造成について
2023年12月05日 []
インプラントの骨造成について
インプラントとは、失った歯を人工の歯根と人工歯で再生する治療法です。インプラントは自分の歯に近い見た目や噛み心地を提供することができ、入れ歯やブリッジに比べて長持ちするというメリットがあります。
しかし、インプラントを受けるには、顎の骨に一定の条件が必要です。顎の骨は、歯を支える役割を果たしていますが、歯が抜けたり、歯周病や加齢などの影響で骨が溶けてしまうことがあります。
骨が減ってしまうと、インプラントを埋め込むための土台が不足してしまい、インプラントが安定しなかったり、見た目が悪くなったりするリスクが高まります。
そこで、骨が足りない場合に行われるのが、骨造成という手術です。骨造成とは、その名の通り、骨を造るための手術です。骨造成には、さまざまな方法がありますが、基本的には、自分の骨や人工の材料を使って、骨の量や形を増やすことを目的としています。骨造成を行うことで、インプラントの成功率や安全性が高まり、長期的に快適に使用できるようになります。この記事では、インプラントの骨造成について、その種類やメリット・デメリット、費用などを詳しく解説します。インプラントを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
骨造成の種類と特徴
骨造成には、主に以下の4つの種類があります。
- ソケットリフト
- サイナスリフト
- GBR法
- ブロック骨移植
それぞれの特徴や適応例について説明します。
ソケットリフト
ソケットリフトとは、上顎の骨の高さが足りない場合に行われる骨造成の方法です。上顎には、鼻の奥にある空洞のような部分があり、これを上顎洞と呼びます。上顎洞は、骨の中に空気が入っているため、骨が薄くなりやすいです。
特に、上顎の奥歯が抜けたり、歯周病になったりすると、上顎洞が下に下がってきて、インプラントを埋め込むスペースがなくなってしまいます。ソケットリフトは、このような場合に、上顎洞を上に持ち上げて、骨の高さを確保する手術です。具体的には、インプラントを埋め込む場所に穴を開けて、上顎洞の底にある粘膜を剥がして上に押し上げます。
その隙間に、自分の骨や人工の材料を詰めて、骨の高さを増やします。ソケットリフトのメリットは、以下のとおりです。
- 傷が小さく、出血や痛みが少ない
- 骨造成とインプラントの埋入が同時にできる
- 治療期間が短い
ソケットリフトのデメリットは、以下のとおりです。
- 上顎以外には適用できない
- 上顎洞の高さが一定以下の場合は行えない
- 上顎洞の粘膜が破れるリスクがある
サイナスリフト
サイナスリフトも、上顎の骨の高さが足りない場合に行われる骨造成の方法です。ソケットリフトとの違いは、骨の高さが足りない程度によって使い分けられるという点です。ソケットリフトは、骨の高さが6mm以上ある場合に適用されますが、6mm未満の場合は、サイナスリフトが適用されます。
サイナスリフトは、歯ぐきを切開して、骨と粘膜を剥がした上で、骨補填材を入れて、骨の高さを増やす手術です。ソケットリフトと違って、インプラントを埋め込む場所とは別の場所に穴を開けるため、傷が大きくなります。サイナスリフトのメリットは、以下のとおりです。
- 骨の高さが大きく増やせる
- 骨の質が良くなる
サイナスリフトのデメリットは、以下のとおりです。
- 傷が大きく、出血や痛みが多い
- 骨造成とインプラントの埋入が同時にできない
- 治療期間が長い
- 上顎洞の粘膜が破れるリスクがある
GBR法
GBR法とは、顎の骨の幅や厚みが足りない場合に行われる骨造成の方法です。GBRとは、骨誘導再生(Guided Bone Regeneration)の略で、骨の再生を誘導するという意味です。GBR法は、骨が不足している場所に、自分の骨や人工の材料を詰めて、メンブレンという人工膜で覆う手術です。
メンブレンは、歯ぐきの侵入を防ぎ、骨が再生するのを助ける役割をします。GBR法のメリットは、以下のとおりです。
- 骨の幅や厚みを自由に調整できる
- 骨の質が良くなる
GBR法のデメリットは、以下のとおりです。
- 傷が大きく、出血や痛みが多い
- 骨造成とインプラントの埋入が同時にできない
- 治療期間が長い
- 自分の骨を使う場合は、別の場所から骨を採取する手術が必要
ブロック骨移植
ブロック骨移植とは、顎の骨の幅や厚みが大きく不足している場合に行われる骨造成の方法です。ブロック骨移植は、自分の骨や人工の材料をブロック状に切って、骨が不足している場所に貼り付ける手術です。
ブロック骨移植は、骨の幅や厚みが大きく不足している場合に、GBR法では対応できない場合に適用されます。ブロック骨移植は、以下のような手順で行われます。
- 自分の骨を使う場合は、顎の後ろや腸骨などから骨を採取します。人工の材料を使う場合は、適切なサイズと形に切ります。
- 骨が不足している場所に、ブロック骨を貼り付けます。ブロック骨は、ネジやプレートなどで固定します。
- ブロック骨の上に、骨補填材を入れて、メンブレンで覆います。
- 歯ぐきを縫合して、治癒を待ちます。
ブロック骨移植のメリットは、以下のとおりです。
- 骨の幅や厚みを大きく増やせる
- 骨の質が良くなる
- 自分の骨を使う場合は、拒絶反応や感染のリスクが低い
ブロック骨移植のデメリットは、以下のとおりです。
- 傷が大きく、出血や痛みが多い
- 骨造成とインプラントの埋入が同時にできない
- 治療期間が長い
- 自分の骨を使う場合は、別の場所から骨を採取する手術が必要
- 人工の材料を使う場合は、拒絶反応や感染のリスクが高い
骨造成の費用と保険適用
骨造成の費用は、骨造成の方法や材料、インプラントの数や種類などによって異なりますが、一般的には、以下のような目安があります。
- ソケットリフト:約10万円~20万円
- サイナスリフト:約20万円~40万円
- GBR法:約20万円~30万円
- ブロック骨移植:約30万円~40万円
骨造成は、インプラントと同様に、保険適用外の自由診療となります。しかし、骨造成が必要な場合は、歯が抜けた原因や症状によっては、一部の保険が適用される場合があります。例えば、以下のような場合は、保険適用の可能性があります。
- 事故や病気などで顎の骨が損傷した場合
- 先天的に顎の骨が不足している場合
保険適用の場合は、自己負担額が大幅に減ることがあります。しかし、保険適用の条件や範囲は、個々の状況によって異なるため、必ず事前に歯科医師や保険会社に確認してください。
骨造成の注意点とアフターケア
骨造成は、インプラントの成功率や安全性を高めるために重要な手術ですが、同時にリスクや副作用も伴います。骨造成を受ける場合は、以下のような注意点を把握しておく必要があります。
- 骨造成は、インプラントと比べて、手術時間や治癒時間が長くなります。骨造成とインプラントの埋入が同時にできない場合は、骨造成からインプラントの埋入までに数ヶ月~1年程度の期間が必要になります。
- 骨造成は、インプラントと同様に、感染や出血、炎症、腫れ、痛みなどの副作用が起こる可能性があります。特に、自分の骨や人工の材料を使う場合は、拒絶反応や感染のリスクが高まります。また、上顎洞の粘膜が破れると、鼻水や頭痛などの症状が起こることがあります。
- 骨造成は、インプラントと同様に、適切なアフターケアが必要です。手術後は、歯ぐきの清潔を保ち、食事や喫煙などの制限に従ってください。また、定期的に歯科医師の診察を受けて、骨の状態やインプラントの適合性を確認してください。
まとめ
インプラントの骨造成とは、インプラントを受けるにあたって、顎の骨が不足している場合に行われる手術です。骨造成には、ソケットリフト、サイナスリフト、GBR法、ブロック骨移植などの方法があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
骨造成は、インプラントの成功率や安全性を高めることができますが、同時にリスクや副作用も伴います。骨造成を受ける場合は、注意点やアフターケアについても十分に理解しておく必要があります。インプラントを検討している方は、歯科医師に相談して、自分に最適な骨造成の方法を選んでください。
エールデンタルクリニックでは経験豊富なインプラント認定医による無料相談、無料メール相談を行っております。ご希望の方は、以下よりお申し込みください。










